螺旋式うぇーぶ

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バラノラが長文を書きたいときのためのブログ

ゼンマイソリティアで遊ぼう!2019年10月

やあ。ひさしぶり。

どう、最近は。

ゼンマイソリティア、してる?

わたくしは、してるよ。

ゼンマイソリティアとは

まずは、これらの動画をご覧いただこう。文章の方は今のところ無視してもらって構わない。

これらはゼンマイソリティアの一例である。

ゼンマイソリティアとは、カテゴリ「ゼンマイ」を用いた先攻展開のことである。

ここでは、必ずしもそれがデッキとして使えるとは限らない、いわゆる魅せソリティアも含むことにする(が、デッキとして使えることが前提の話がほとんどである)。

本記事では、このゼンマイソリティアの解説を「ゼンマイ?なにそれ。山野に生えており、水気の多いところを好む、渓流のそばや水路の脇などによく出現する植物」といったような現代のゼンマイ初心者に向けて行う。

ゼンマイカードの紹介

ゼンマイカードの紹介を行う。普通に知ってる人は、飛ばしてもらって構わない。

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略称はゼンマイティ、マイティ。

ゼンマイの核。シンプルにゼンマイを1体リクルートできる効果、これで核にならないワケがない。いかなるゼンマイソリティアにおいても、これを出すためにレベル3モンスターの展開が要求されるのである。

後半のゼンマイが破壊された時に手札に回収する効果は滅多に使用することはないが、起こり得なくはない発動条件なので覚えておいて損は無いし、一度だけゼンマイソリティアで使用したこともある。

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略称はネズミ、ネズ。

自身が攻撃表示のときに限りゼンマイを守備表示で蘇生できる。

比較的簡単な発動条件でモンスターを1体増やせる、展開の中核を成すカード。このカードをいかに攻撃表示で場に出すかが展開の要となる。

マイティとネズミを使うだけで、デッキとリンクマーカーの許す限りモンスターが増え続けるのが分かるだろうか。

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略称はシャーク。

自身を手札から特殊召喚でき、☆3、☆4、☆5のいずれにもなれる。アドバンテージを取れるわけではないが、効果の発動条件が最も緩い上単体で2回効果を発動できるため、後述するマジシャンを起動させるために大いに役立つ。

また、手札から特殊召喚できるおかげで後述する初動札になりやすく、ゼンマイカードの中で唯一手札に来てほしいカードと言える。

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略称はマジシャン、マジ。

ゼンマイの効果が発動した場合(これは発動タイミングが、トリガーとなる効果の処理後であることを意味する)、ゼンマイを守備表示リクルートできる。

リクルートは強力だが、発動条件が比較的厳しい点や手札からは特殊召喚できない点、守備表示で特殊召喚する点などに受ける影響が実際は大きく、効果を使用する機会は限られる。限られるが、☆4である点や連鎖的にマジシャンからマジシャンを特殊召喚できる点などで、展開の序盤にモンスターを増やすのに大いに役立つ。

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略称はゼンマイコンマイコン

ゼンマイのサーチ効果と、ゼンマイの張り替え効果を持つ。

ゼンマイの中では異端である、悪魔の一文「このカード名の効果は~・・・」を持つカード。故に、当たり前だが展開中に効果を使用するのは一度きりであり、使い方もほぼ毎回同じである。

最後の効果は一度も使ったことがない。

・・・

以上5種類が、いかなるゼンマイソリティアにおいても必須となるゼンマイカードである。マイコンは誓約があるので1枚、他は3枚採用することが基本となる。

そして以下は、必須ではないが使用する可能性のあるゼンマイカードである。

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ウォリアー。他のゼンマイのレベルを変更したいときなどに使う。

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ドッグ。☆3獣を採用したいときなどに使う。

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ラビット。場のゼンマイを退かしたいときなどに使う。

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ニャンコ。☆2要員として使う。

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バット。サルベージがしたいときなどに使う。

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マニュファクチャ。場に永続魔法があると都合が良いときに使う。

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ハンター。一番かわいい。使用することはない。

 

さらに他のゼンマイカードは、ゼンマイソリティアにおいてほぼ使用することがない。

ゼンマイソリティアの初動

ゼンマイソリティアはいかにして始まるのか。その始まり方こそ、初動である。

そして、初動のために手札に持っておかなければならないカード群、それが初動札である。

ゼンマイソリティアの初動となる初動札の組み合わせは、以下の3通りが存在する。

1.「☆3ゼンマイ」+「ss☆3」

2.「ss☆3」×2

3.「マジシャン」+「シャーク」

(※「ss☆3」:特殊召喚できる☆3モンスター)

それぞれゼンマイ33×2マジシャークと呼ぶことにする。

これらの初動では、以下のように展開を始める。

些細な点を変更することもあるが、ほぼ毎回このような展開をする。

このようにしてモンスターを複数体並べた後、目的に応じてパラディオンやランク4などに繋げていくのが序盤の流れである。

そしてお気づきだろうが、各初動によって展開できているモンスターの数が異なる。ゼンマイ3が最も少なくマジシャークが最も多いのだ。

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↑ ゼンマイ3:モンスター7体分

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↑ 3×2:モンスター8体分

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↑ マジシャーク:モンスター7体分+手札シャーク

故に、これはゼンマイソリティアをするにあたってとっても重要な、しかし当たり前なことなのだが、ゼンマイソリティアは一番弱いゼンマイ3から始められなければならない。

なぜなら、そうでないと任意の初動から始めることができないからだ。逆に、ゼンマイ3から可能な展開ルートは任意の初動から可能である。

これを理解せずに3×2から展開ルートを作ったとして、それがゼンマイ3からは不可能であった場合、鑑賞する分には構わないかもしれないが、デッキとして運用するには大きく安定性に欠けることになる。そんなのはイヤである。

ゼンマイ3から可能な展開ルートを作った場合、3×2やマジシャークから始めると余分な展開があることになるが、それは最終盤面をより強力にすることや、後述する誘発ケアのために使う。特に必要なければ、余計にリンク召喚に巻き込んだり、効果を温存したりしてゼンマイ3の展開ルートを再現すればよい。

・・・

さてここからは、実際にその初動で使う初動札を紹介する。

なお初動札には勝手に強さランキングを付けてあるので、強い順に紹介していく。

ちょうつよ:シャーク

ss☆3であり、☆3ゼンマイでもある唯一のモンスター。他のあらゆる初動札と組み合わせて初動になれるため、初動札としては絶対に腐らない。ただし、展開ルートでシャークを大量に使う場合は、初動でシャークを消費してしまうとそれに影響が出ることもある。

つよ:ギラザウルス、ジャッカロープ、ツチノコ緊急テレポート、ウィールダー、トラッカー、ジャンクフォアードなどのss☆3

他のss☆3か☆3ゼンマイと組み合わせて初動になれる。基本的には同名2枚でも3×2になれる前半の方のカードが優先される。

ふつう:ネズミ、ドッグ、ラビット

☆3ゼンマイ。ss☆3と組み合わせてゼンマイ3になれる。ふつう特別な理由がない限りドッグ、ラビットは採用しないが、採用するときにはこれらは初動札になるため、他の不採用ゼンマイモンスターよりは優先されよう。

よわ:マジシャン

シャークと組み合わせてマジシャークになれる。初動札としての使い道はこれだけであり、後述する素引きケアの観点から手札にいるとむしろ困るので、なるべくは引きたくない。

例外:ベイゴマックス、レスキューキャット

前者は3×2、後者はゼンマイ3を、1枚で賄うことができる破格の性能を持つカード。

レスキャで出す☆3獣はss☆3であるジャッカロープが最優先、次いで☆3ゼンマイであるドッグが採用される。タケトンボーグは後述するゴミである。

 

これらを実際は合計20~25枚ほど採用し、初手5枚で初動を可能にすることが、ゼンマイソリティアの最低限必要な条件である。

ゼンマイソリティアの展開ルート

さてここからは、先の初動で膨らました盤面を使って、さらなる展開をしていこう。

まずはゼンマイ3で作ったこの盤面から。

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1.パラディオン

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この盤面から、おそらく最も頻繁に行われる展開ルートはパラディオン展開、特に神樹のパラディオンを使う展開だろう。

実はこの盤面にする少し前から手を加える必要があるので、少し戻ってこの盤面。

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ここからマイコンマイティでアークロード、それでマギアスを出しておき、そのあとにシャークの効果を発動してマジでシャークをマギアスのリンク先に特殊召喚

マギアスを起動させ、神樹をサーチ。

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マギアスとゼンマイで適当なリンク2を出して、神樹特殊召喚。これで、ハリファイバーや☆6、☆7、☆8シンクロを出すことができる。

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1.1神子

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先ほどの盤面でリンク2と神樹でハリファイバーを出し、ジェットシンクロンやゾンビキャリアなどの☆1、☆2チューナーを特殊召喚すれば、☆5シンクロで神子を出すことができる。神子はさらなるリクルート効果や蘇生魔法「星遺物を継ぐもの」をサーチできるため、このあとさらに展開を続けていくことができる。

特に、特定のモンスター(例えばカタパルトタートルなど)を場に出さなければいけない展開ルートの場合は、汎用蘇生効果を持つ継ぐものの存在は大きい。

ゼンマイカードはゼンマイ以外のカードにアクセスする力を持っていないため、そうしたい場合はこういった汎用蘇生効果や汎用墓地送り効果などに頼るしかないのだ。

2.ランク4

盤面は戻ってここ、ゼンマイ3から作った盤面。

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ここから、ランク4のエクシーズモンスターを出していくこともしばしば行う。

2.1デュガレス

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上のゼンマイ3から作った盤面は、場のマジの効果を使い切ってしまって一見これ以上ゼンマイの展開を行えないように見える。そこで、マジとマジでデュガレスを出すと、マジを蘇生できる。

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シャークの効果が1体分未使用なので、発動してマジの効果でシャークを特殊召喚すると、盤面のモンスターがデュガレス1体分増えている。

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ここからパラディオン展開を行うことでモンスターを1体余分に使うことができるし、別の方法でゼンマイを再展開するときのために効果未使用ゼンマイを残しておくこともできる。

2.2エメラル

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デュガレスの代わりにエメラルを出すこともある。目的は主に、マイティとネズミの回収、そして何かと使える1ドロー。初動にネズミを使った場合、もうデッキにネズミは残っていない。そういった、ゼンマイ3の中でもネズミを使用するパターンにのみ起こるディスアドバンデージを取り返し、他のゼンマイ3と同じことができるようにするために、エメラルは使える。

マジとマジでエメラル特殊召喚、効果でマイティ、ネズミ、何かを回収。シャークとシャークでマイティを出し、ネズ特殊召喚、マジ蘇生。これで、未使用マジを場に出すこともできた。

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また、デュガレスを使った場合もその後にランク4が出せるため、併用が可能である。

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2.3ダランベルシアン

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先述の通り、汎用効果は重要である。ダランベルシアンは、3体素材であらゆる☆4モンスター、4体素材であらゆる魔法罠をサーチすることが可能なので、これに頼らない手はない。

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いつもの盤面から、パラディオン展開で星辰をサーチし、特殊召喚

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星辰、マジ、マジ、シャークでダラン特殊召喚、魔法罠サーチ。

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また、いつもの盤面から、マジ、マジ、シャークでダラン特殊召喚、☆4モンスターサーチ。

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2.3.1フェレット

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ダランでサーチする☆4モンスターの筆頭は、フェレットである。

先の続きからマイコン、マイティ、ダラン、シャークでスカデ特殊召喚

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リロード効果を挟んだ後、スカデの効果でフェレット特殊召喚フェレットで合計☆6になるようにモンスターをリクルート

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これで、複数の低レベルモンスターにまとめてアクセスすることができる。もちろんチューナーも特殊召喚できるので、さらにここからシンクロ召喚、特に神子などを出すこともできる。

3.エルピィ

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好きなドラゴン族にアクセスしたい。そんなときはエルピィである。エルピィは、先ほどまでのパラディオン展開で星辰を使ったり、神子で出した星杯の守護竜を使ったり、はたまたフェレットで出したドラゴン族を使ったりしても出すことができるが、ここではとりあえずエルピィまで最速でたどり着く展開ルートを紹介する。

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いつもの盤面から、マイコンマイティでリプロドクス特殊召喚、真下のモンスターをドラゴン族に変更。

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リプロと何かで天威の龍拳聖を特殊召喚、ドラゴン族でエルピィを特殊召喚

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できた。エルピィから呼び出す筆頭はラルバウールであり、サーチしたいモンスターに合わせたステータスのリンクモンスターなどを場に出しておけば、これによってサーチ可能。ここでも、ネズミを対象にとってフェレットをサーチできる。ダランを他のために使いたいときはこちらでフェレットにアクセスしよう。ラルバの手札コストは初手5枚の中から払うのはイヤなので、リプロ云々をやる前に先のようにエメラルを出しておけば、1ドロー分で賄うことができる。

4.イゾル

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いつもの盤面からパラディオン展開を行い、神樹をサーチする。マギアスと何かで剛炎の剣士を出し、神樹と合わせてイゾルデを出せる。

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ゾルデから出す筆頭はヴァイオンや終末であり、そこから先はもはやあまりゼンマイソリティアの領域ではない。「終末 展開」とかでggった方が、色々と展開ルートが見つかることだろう。闇属性やHEROにアクセスしたいなら確かに有用なのかもしれないが、なにせメインデッキに入れなければならないゴミが増えすぎる。そうなるともはや実用的なゼンマイデッキとしての運用は厳しくなり、必然的に鑑賞用ゼンマイソリティアとなる(その分エクゾディアやホルアクティといった無茶な最終盤面を目指すことができるようになる)。イゾルデを使うのは、そういった覚悟があるときに限るだろう。

5.キュリオス

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なんでも好きなカードにアクセスできる。出し方は展開ルートに依るが、ハリ+神子+シャークや、リプロ+地にしたモンスター+ネズなどが、汎用的で様々な展開ルートと組み合わせやすい。出すのに手間はかかるが、キュリオスのために必須のゴミは無いため、展開ルートに合わせて出すことでゴミの総枚数を節約しやすい。

・・・

以上が、ゼンマイソリティアにおける初動より後の展開方法である。もちろんこれだけではなく、RRやスクラップ、ボウテンコウなどを使った展開もあるが、すべて紹介していてはキリがないので、実用たるいくつかを抜粋して紹介した。

 

ゼンマイソリティアの展開ルートは以上のことをやって終わりではない。以上の汎用的な展開ルートを用いて、先攻ワンキルなら先攻ワンキル、全ハンデスなら全ハンデスに必要なパーツを集め、盤面を完成させるのである。その部分の展開ルートについては、解説するなら個別のソリティア毎にするしかないので、ここではしないでおく。自らのカード彙力をもってして、盤面を完成させてほしい。ゼンマイソリティアをするには、ゼンマイとは関係ないソリティア終盤のカード知識も必須なのである。一応あとで、ひとつのゼンマイソリティアに絞って個別の解説は行う。

・・・

ここで、展開ルート上の注意点を一つ話しておく。それは、EXゾーン反復についてである。

展開ルート上では、EXモンスターゾーンを使う。そして、時にはリンク先を確保するために一度使ったEXゾーンでない方のEXゾーンを使いたくなるだろう。しかし、できれば片方のEXゾーンのみを使う展開ルートを作る方がよい。理由は簡単で、後攻で敵がモンスターをEXゾーンに1体出しているときでも成立する展開ルートの方がイイからである。同様の理由で、左右どちらのEXゾーンでも成立するように作ることも、考慮するとよい。

ゼンマイソリティアの最終盤面

上記の展開ルートで、最終的に何をするのか。ゼンマイソリティアには最終盤面を設定することが必須である。

最終盤面として、何を目指すのがよいのだろうか。その最高峰はもちろん勝利、いわゆるFTK(先攻ワンキル)である。その他は、全ハンデス、制圧、ロマンモンスター降臨などがある。

勝利とその他の最終盤面は、一線を画す。ゼンマイソリティアをする目的は対戦の勝利であるため、ソリティアが成功したとしてもその後対戦に敗北する可能性が少しでもあるのは、イヤである。

FTKの例としては、以下のようなものがある。

特殊勝利:駄天使、エクゾディアなど

バーン:カタパルト、ロータス、オームなど

ゼンマイソリティアを作るときは、基本的にはこれらによるFTKを目指し、FTK以外を最終盤面に設定するときは「あ~これ、FTKじゃないなあ・・・」と1回は思いを馳せて、その上でFTK以外の最終盤面を目指すとよいだろう。

・・・

FTK以外の最終盤面のひとつに、全ハンデスがある。全ハンデスには、以下のような分類がある。

墓地に送るガンブラーなど。ハンデスしたカードの効果を発動される可能性がある

デッキに戻すデュランダルなど。効果を発動される可能性は無い

5枚:自分のターンに全てを行う。相手がドローしたカードの使用を許す

6枚ガンブラーデュランダルなど。相手がドローした後にそれをもハンデスする。

もちろんデッキに戻す6枚の方がよい。全ハンデスを最終盤面とするときは、どのようなハンデスになるのかも考えて、展開ルートを作ろう。

・・・

ソリティアといえば制圧、と考えている人も少なくないだろう。アポロ、サベージなどによる無効、マスカレ、ユニコーンなどによる除去VFDなどによるロック、アストラムの耐性など制圧の形態はさまざまで、FTKや全ハンデスに比べてそれ自体の具体的な目標も無いためかなりの多様性を極める。

多種多様な制圧方法がある中、ゼンマイソリティアにおいて有用な制圧とは何か。それは、ロンゴミである。

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素材7枚のロンゴミ、通称7ロンゴミを出すという最終盤面は、ゼンマイソリティアにおいて比較的目指しやすく、それでいて多分、あらゆる制圧の中でその後勝利できる可能性が最も高い。よって、制圧を最終盤面とするときは、常に7ロンゴミと比較すべきである。もちろんあらゆる最終盤面に価値はあるのだが、「それ、7ロンゴミより弱くね?」に反論できないことを許せない場合、その最終盤面を作ることはオススメしない。

・・・

最終盤面を設定するとき、それが後攻でも成り立つのかを考えた方がよい。これは、後攻だと敵の妨害が増えるから~などといったことではなく、原理的に後攻でその最終盤面に意味があるのかを考えるということである。

FTKは問題ない。先攻で実行して勝利が可能なら、もちろん後攻でも可能である。

ハンデスは後攻だと意味がない。全ハンデスは相手のアドが手札に集中している先攻1ターン目にやるからこそ意味があるのである。ゆえに、全ハンデスのゼンマイソリティアは対戦で後攻の場合既にソリティアは失敗であって、その他の方法で勝利を目指すことになる。

制圧は注意が必要である。ほとんどの場合制圧は強めのモンスターをたくさん出すのが目標であるため、後攻でもそれらのモンスターで攻撃すれば先攻の時と同じように勝利を目指すことができる。しかし、一部の先攻が前提の制圧(ハリやマスカレで相手ターンに強いモンスターを出すものなど)の場合は、後攻であることに影響を受けるということを忘れてはいけない。

こういった観点からも、FTKが優秀な最終盤面であることが分かるだろう。

ゼンマイソリティアのゴミ

先ほどから何度か口にしている、ゴミについて話す。

ゴミとは、ここではメインデッキ内の初動札ケア札(後述。墓穴などのこと)以外のカードのことを指す。要は、手札に来てほしくないカードである。

(注釈)世間にはゴミという言葉を使うのを嫌う人がいるようである。しかし、ここでは代替できる簡潔な名詞も思いつかなく、また筆者が普段から愛用している言葉でもあるため、そのような人をおもんぱかって涙ながらに、心ならずも、やむを得ず使うことにする。(注釈終わり)

ゴミは、デッキの質に関わる。単純にゴミが多ければ事故りやすいし、ゴミが少なければ事故りにくいので、ゴミはなるべく少なくしたいのである。

例えば、エルピィを出す展開ルートを作ろうとしているとき、パラディオン展開から星辰を使うか、リプロで誰かをドラゴン族にするかを選択することになる。ここで決め手になる点の一つが、ゴミである。星辰は初動札でもケア札でもないのでゴミである一方、リプロ展開の方はゴミは必要としない。デッキのゴミをこれ以上増やしたくないな、などと考えるのであれば、リプロ展開の方を選択した方がよいということである。もちろんEX消費や盤面のモンスター数などにも差異があるため、そちらの事情を優先することもある。

実際のところ、40枚デッキの中のゴミの量としては、以下のような感覚がある。

0~2枚:ちょう少ない。理想的

3~5枚:少ない。実用に足る

6~9枚:ちょっと多い。デッキとしてギリ成り立つ

10枚~:多い。観賞用

また、よく使うゴミは以下のようなものである。

神樹、星辰、継ぐもの、星杯モンスター、フェレット、ジェットなどチューナー、ウォリアーなど初動札でないゼンマイ、タケトンなど初動札の付属、増Gなど抹殺用のカード・・・など(ただし、タケトンや増Gは上記の枚数にカウントしないで考えることが多い。採用が任意なので)

初動以降、ゼンマイモンスター以外の展開をするにはほぼこれらゴミが必要となってしまう。

特に、頻繁起こるので特別に覚えておいて損は無いのだが、神子を出すためには絶対にゴミが2枚要る。主に神樹と☆1(☆2)チューナーか、神樹とニャンコである。☆5シンクロのためには、☆3以外のモンスター(すなわちゴミ)が必ず1枚要る。しかも、ゼンマイソリティアで最初にアクセスできるチューナーは神樹☆3である。つまり、神樹以外のゴミがあと1枚要る。かくして、神子のためにはゴミが必ず2枚要るのであった。

一方、ゴミにならない展開モンスターもわずかながらいる。

例えば、ハリファイバーでなんでもよい☆3チューナーを出すとき、ウィールダー灰流うららを用いれば、ウィールダーは初動札、灰流はケア札なのでゴミを採用することなく☆3チューナーを出せる。

同様に、エルピィでなんでもよいドラゴン族を出すとき、デフラドラグーンを出すことにすれば、初動札であるのでゴミは増えない(ただしこの場合デフラを2枚以上採用しないと、初動で使ったらエルピィで出す分が無くなってしまった、なんてことになりかねない。初動に使えないならそれはゴミである)。

ゼンマイソリティアを作るときは、ゴミの枚数に注意しよう。

ゼンマイソリティアのEX消費

ゴミと共に、少ない方が幸せなのはEX消費である。

EXは最大で15枚採用でき、ゴミとは違って最大枚数まで多く採用しても展開ルート上の支障はない。しかし、自由なEX枠があればソリティアが失敗したときや後述する誘発ケアの貫通ルートのために使えるので、対戦で勝利できる可能性は大きくなる。

空いたEX枠に入れるのは展開ルートで使わないマイティ3枚目や展開ルートで使わないなら貫通のためのハリファイバー、ヴァレソやユニコーン、アストラムなどの汎用カードが主であり、大体この順に優先することになる。予備のマイティは、ソリティアが失敗した時に展開補助として使え、なにかと不測の事態に役立つので、優先度は高い。

そして、展開ルートに無理なく無駄なくヴァレソなどを組み込めるときは、EXの空き枠を消費せずに汎用カードを採用できることになるので、嬉しい。

実際のEX消費枚数は、これくらいである。

~10枚:ちょう少ない。理想的

11枚~13枚:少ない。空きがあって嬉しい

14枚:ふつう。マイティ3枚にするだけかな

15枚:多い。けどソリティアできるならOK

 

ゼンマイソリティアを作るときは、EXの枚数に注意しよう。

ゼンマイソリティアの手札コスト

ゼンマイソリティアの展開ルート上において、なんでもよいカードを捨なければならないときがある。例えば、ラルバのコスト、ジェット・ゾンキャリのコスト、ガンブラーのコストなど。そのようなとき、「なんでもよいのだから、初手にある初動に使うカード以外のカードをコストにしよう」などと考えるのは甘っちょろい。できる限り展開中に手札を増やせる効果を使って、ソリティアに必要なのは本当の意味で初動のカードだけ!という状態を目指すべきである。

手札を増やせる効果として使いやすいカードを、いくらか紹介しておく。

エメラル:1ドロー

スカデ:+1手札交換

マギアス:パラディオンサーチ。展開ルートで使わないときに。ゴミは増える

レグレクス:パラディオン魔法罠サーチ。ゴミは増える

星杯の妖精リース:星杯サーチ&場のモンスターをコストに変換

ゼンマイバット:ゼンマイサルベージ。ゴミは増える

ゼンマイソリティアを作るときは、手札コストに注意しよう。

ゼンマイソリティアの素引きケア

ゼンマイソリティアにおいて、素引き事故なるものがある。代表的な例はマジシャン3枚引きである。マジシャンは、いかなる初動においてもマジシャンの効果で特殊召喚されることがある。マジシャンの効果ではデッキからし特殊召喚できないため、特殊召喚先がデッキにいないといけないのだ。

よって、展開ルートを考えるときには、そのような素引き事故がなるべく起こらないようにすることが要求される。それこそが、素引きケアである。

1.ゼンマイカード

ゼンマイのリクルート効果はマイティ、マイコン、マジシャンのものがあり、このうちマイティは手札・デッキから特殊召喚マイコン、マジシャンはデッキからのみ特殊召喚である。つまり、素引きケアを考えなければならないのはマイコンとマジシャンの効果である。

そして、特殊召喚先の必須3種のゼンマイカードのうち素引きケアに関わるのはネズミとマジシャンである(シャークはほぼいつでも手札から出せるので必要以上に引いてしまっていても構わない)。

1.1ネズミ

ネズミはマイコンの効果で必ず特殊召喚される一方、マジシャンの効果で特殊召喚することはほぼない(細かいことを言えばあるが、それは☆3ゼンマイならなんでもよいときがほとんど)。よって、ネズミは3枚引くとダメである。が、実はそれはケアのしようがない。しようものなら、それは先述の3つの初動よりはるかに厳しい初手を要求されることになる。そんなのはイヤである。さらに、同名3枚引きの事故は起こる確率が無視できるほど低い

1.2マジシャン

マジシャンは初動で1枚目をマイティで特殊召喚(マジシャークの場合は通常召喚)し、1枚目のマジシャンで2枚目のマジシャンを特殊召喚するところまでは確定である。つまり、先述の通りマジシャンは3枚引くとダメである。ネズミと同様、これもケアのしようがないのでケアはしない。

しかし、ちょっと待ってほしい。マジシャンについてはさらに、2枚目のマジシャンで3枚目のマジシャンを特殊召喚するということが、展開ルートによっては可能である。可能であるのだが、それはすべきだろうか?答えはNoである。3枚目のマジシャンはマジシャンの効果で出すべきでない。出すような展開ルートの場合、それはマジシャン2枚引きが事故になるということである。そんなのはイヤである。マジシャン3枚目はマイティで出すか、後述する展開ルート上の素引きケアをしてからマジシャンで出すべきである。

1.3ゴミであるゼンマイ

ウォリアー、ニャンコなど。これらはゴミに該当するので次項を参照されたいが、簡潔に言えば、マジでなくマイティで出せということである。

2.ゴミ

リクルート限定効果は何もゼンマイの効果だけにはとどまらない。フェレットによる特殊召喚、神子による星杯の特殊召喚(これは墓地からも可能であるが)、特殊召喚でなくともキュリオス、ケルビーニによる墓地送りなどがある。これらの効果でデッキからアクセスするカードは、もし初手に引いてしまっていたら?を考えなければならないのである。解決法としては、簡単な方法であれば、単純にそのゴミを2枚採用するということが挙げられる。しかしそれはゴミが増える方法であり、イヤである。できる限り、展開ルート上の素引きケアでなんとかしたいものである。

3.展開ルート上の素引きケア

マジシャン2枚引きという状況でもマジシャン3枚目を使うにはどうすればよいのか。そう、マジシャンをデッキに戻してしまえばよいのである。

3.1スカルデット

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スカデを4体素材で出すと、手札交換ができる。これにより素引き不可カードをデッキに戻してしまうのである。スカデの効果後なら、ほぼ全ての素引き事故を無視できる。あらゆる場面から出しに行くことができるため、素引き不可カードをふんだんに使う展開ルートの場合は積極的にスカデを組み込むとよいだろう。実は先述のフェレット展開は直前にスカデを経由しており、フェレット特殊召喚先の素引きをケアできている。

3.2エメラル

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先の展開ルートではネズミをデッキに戻すために使ったが、ついでにマジシャンを戻すこともできる。デッキ内にマジシャンを増やせるため、マジ2枚引きの下でもマジシャン3枚目をマジシャンで出せることになる。直後の1ドローでマジシャンを引いてしまうと素引きケアは成立しないが、マジ2枚引き&1ドローがマジというのはマジ3枚引きなどと同様、無視できるほど低い確率の出来事ではなかろうか。

また、素引きケアと少し役割は異なるが、エメラルには不意に墓地に落ちてしまったカードを戻すという役割もある。不意に墓地に落ちるとはどういうことか。そう、未界域である。

☆3未界域は優秀な初動札なので、しばしば採用される。しかしそこにはリスクもあり、展開ルートで使うゼンマイやゴミを墓地に落としてしまうかもしれないのである。しかしそんなときにも、それを使用するのをエメラル後にできるなら、落ち着いてエメラルでデッキに戻せばよいのである。エメラルを使うということは初動札として優秀な未界域を使えるということに直結するので、できるのであればエメラルも展開ルートに組み込んだ方がよい。もちろん、未界域を採用しなかったり、未界域のリスクを無視できる確率だとみなしてもよい。

・・・

素引きケアについて理想的な展開ルートは、素引き不可カードがネズ3枚マジ3枚だけ、というでものある。これ以上の素引きケアをすることは、ソリティアの構造上不可能である。しかしこの条件素引きケアを意識して展開ルートを作っていればそれほど難しいことではなく、むしろ実用的なゼンマイソリティアを作るにあたっての最低条件、くらいに思ってくれても構わないことである。

 

以上が素引きケア関連のお話である。鑑賞用ソリティアのためには完全に無視してしまっても構わない内容であるが、デッキとしてゼンマイソリティアを使う場合にはデッキの質に大きく関わる内容であることが分かってもらえただろう。

ゼンマイソリティアの誘発ケア

デッキとしてのソリティアとは切っても切り離せないのが、敵の手札誘発による妨害である。ここまで来た読者であればもう分かるかもしれないが、ゼンマイソリティア妨害一発貰えばほぼ止まるソリティアが失敗する。対戦に敗北する。

ここでは、ソリティアを成功させるために、対戦に勝利するために、手札誘発による妨害を対策する方法を紹介する。

1.ケア札

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手札誘発の対策といえばこれである。これらのことをケア札と呼ぶことにする。初動が1~2枚で済む分、ケア札をそれはもうガン積みして全力で妨害を阻止するのがよいだろう。

現代遊戯王、先攻であったとしても敵が妨害を打ってくる可能性はかなり高い。そうなると、対策しない場合ソリティアが失敗する可能性もかなり高いということになってしまう。よって、これらのケア札は初手にほぼ必須とみなしてよいだろう。これが、初動札だけでなくケア札もゴミとはみなさない所以である。

灰流は増G対策、墓穴抹殺は言わずもがなだが、半魔導には注意しなければならないことがある。半魔導はメインフェイズの間ヴェーラーや無限泡影などの対象を取る手札誘発をシャットアウトできるが、一度メインフェイズを終わってしまうとその途端無防備になってしまう。メインフェイズにも展開を行うソリティアの場合は、半魔導は全く意味をなさないのだ。これはデッキの質に関わる事項なので、注意されたし。

2.貫通

ケア札を引けなかった場合、妨害を食らったら本当にオシマイなのだろうか?いや、まだチャンスはある。それが初動の最初のマイティに対する灰流などなら。

3×2で最初のマイティに灰流を食らったとする。そこで、手札にさらにチューナーであるss☆3ss☆3の2枚があれば、ハリファイバーを使って再びマイティを出すことができる。そこからは、少々盤面は違うものの通常の初動に合流できる。

チューナーであるss☆3は別に☆3である必要はないのだが、結局☆3以外はゴミになってしまうので、使えるのはウィールダーか緊テレくらいである。

また、追加で出すのはチューナーであるss☆3☆3ゼンマイでもよい。

どちらのパターンも結局、チューナーを絡めた初動札4枚消費で貫通可能となるのである。ケア札を引いていないときにやることなので、初動札4枚自体は揃いやすいだろう。

これらの貫通ルートはハリとマイティを余分に使わないといけないので、これができるのは通常の展開ルートでハリとマイティ3枚目を使わないときに限る。よって、展開ルートを作るときは可能であればこの条件も意識しておきたい。しかし、ハリファイバーは強力で展開ルートで使いたいときも多いので、この貫通ルートを用意しておけることは実際にはあまりない。

 

一方、ハリやマイティ3枚目を要求しない貫通ルートも存在する。3×2の最初のマイティに灰流を食らったとして、追加でレスキューキャットを召喚するのである。

こちらはレスキャさえあればいつでも可能なので、覚えておいて損は無いだろう。

3.アザトート

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先に言っておくと、この項目はあまり実用的な話ではない。

手札誘発対策といえばアザトートである。ゼンマイソリティアにおいて、ランク4を出せるタイミングというのは比較的序盤に訪れるので、そのタイミングでアザトートを出すとその後の手札誘発モンスターはシャットアウトできる。

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これに意味がないとは言わないが、アザトートを出すまでに誘発を食らうスキはあるし、半魔導が無ければアザト後も無限泡影は食らってしまう。このタイミングでのアザトはあまり有用でないと考えるのが妥当だろう。

では、アザト前に誘発を食らうスキが無ければよいのだろうか。通常の初動とは異なる初動だが、

1.「ss☆4」×2+「チューナー」+「ss☆3」

2.「ss☆4」×2+「チューナー」+「☆3ゼンマイ」

などからアザトスタートの展開をすることができる。

しかしこれはもはや初動も初動札もデッキ構築も本記事で紹介しているゼンマイソリティアとは異なるものであるため、初動の紹介だけに留めておく。

・・・

最後は少しメインの話からはズレたが、このようにゼンマイソリティアにおける誘発ケアはガン積みしたケア札か序盤の貫通である。実際にプレイするときのために心にとめておいてほしい。

ゼンマイソリティアの具体例

ゼンマイソリティアの包括的な話はオシマイで、ここからはひとつのゼンマイソリティアについて詳しく見ていく。そのソリティアは、一番最初にも紹介した、これ。

ここまで来た読者なら、ツイートの文章の意味ももう理解できるだろう。

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↑ 使うもの

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↑ デッキレシピ

このソリティアは神殿を守るものによる神殿ハンデス(最高のハンデス)が最終盤面である。

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それでは、これまで書いてきた様々な観点から、このソリティアを見ていこう。

初動

ゼンマイ3、3×2、マジシャークのどれからでも可能。これは当たり前である。

しかしこのソリティアは、各初動ごとの最終盤面に差がある。

ゼンマイ3:デュガレス使用ありで神殿ハンデス

3×2:デュガレス使用ありで神殿ハンデス+アーデク

マジシャーク:デュガレス使用無しで神殿ハンデス+アーデク

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アーデクを出すと何が嬉しいかというと、相手のターンに入ってからハンデスするまでに打たれる速攻魔法による妨害をケアできることである。神殿ハンデスは珍しくも相手ターン中にまで展開が及ぶソリティアであり、普通これは、とても大きな欠点なのである。しかし今回神殿ハンデスをするということまでは決定事項なのでこれには目をつぶり、その代わりできるだけその速攻魔法の対策をすることで欠点を補おうという魂胆である。ちなみに、速攻魔法は墓穴だけに留まらず、サイクロン系ウィドウアンカーシャークキャノンすら妨害になるので、侮れない。もちろん無限泡影もである。超融合リブートはアーデクでも無理である。

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そしてデュガレス無しとはどういうことかというと、次の自分のターンのメインフェイズがあるということである。FTKであれば無視できるこの誓約だが、情けないことに神殿ハンデスはFTKではないので、誓約の影響を受けてしまうのだ。盤面の攻撃力合計は8000を超すようにしているので直接バトルフェイズでもさほど問題はないのだが、アーデクの効果を使うとギリ8000足りなくなることや、その他不測の事態に備えメインフェイズはあるに超したことはないのだ。ちなみに当たり前すぎて言っていなかったが、神殿ハンデスを決めた次の自分のターンには攻撃してワンキルをすることが前提である。

各初動の違いは分かっただろう。しかし、普通は各初動で最終盤面は同じであることがほとんどであり、こんなにも顕著に違いがあるのは稀有である。

よって今回は、3×2ができる機会を少しでも増やしたいため、いつもは採用する強力なレスキューキャットを不採用として、ss☆3の採用枚数を増やした。

(戯言)個人的には、各初動で違いが出るソリティアは出来が良いと思う。もちろん全ての初動で理想的な最終盤面を作れるのが最も出来の良いソリティアなのだが、ゼンマイ3ですら作れる盤面、マジシャークや3×2では展開力を使い切らないまま完成させてしまえるのである。つまり、マジシャークや3×2ではもっと強いことができるのにしないことになるのである。これはソリティアにおいて、なんというか無駄がある。美しくない。だったら、中間点の3×2でソリティアの目標を余裕でクリアできるようにしつ、ゼンマイ3では多少条件が悪くとも(例えばアーデクが出せない、ある素引きをケアできてないなど)最低限の目標はクリアできるようにし、マジシャークでは+αのオプションが付く、くらいの方がちょうど良い塩梅であるように思える。(戯言終わり)

このソリティアの初動には、一見少し心配に見えることがある。それは、デュランダルの素材でシャーク×2、キュリオスの素材でシャーク×1と、合計3枚のシャークを手札・デッキから特殊召喚しなければならないので、(ゼンマイ3の)初動にシャークを使えるのか?ということである。答えはYesである。しかもシャーク×2を初動にすることすら可能である。

シャークを1枚初動に使った場合の展開ルートは上記の2つ目の動画に載っている。デュガレスでマジを蘇生する代わりにシャークを特殊召喚し、マジでマジ3枚目をリクルートすればよいのである。「あれ?それってマジ2枚引きケアのためにやってはいけないことではなかったっけ?」って思ったそこのあなたは、これまでの話をキチンと理解できている。しかし、この場合はやってもよいのである。理由は簡単で、これがシャークを初動に使う展開ルートだからである。マジ2枚引きしていて、かつシャークを初動に使えるのであれば、マジシャークを初動にすればよいのだ。

シャークを2枚初動に使うともうその通りにはいかないのだが、シャーク1枚の代わりにドッグを使えばこれも可能である。これともうひとつの理由のために、今回ドッグを1枚だけ採用することとなった。もうひとつの理由は、マジシャークでデュガレス無しにするために☆3ゼンマイがあと1枚必要、というものである。

初動については、これくらいだろうか。

展開ルート

展開の仕方は、動画を載せたので説明する必要はないだろう。展開のポイントとしては、神子で導き(蘇生罠)サーチ、ハリ神子シャークのキュリオスで神殿落とし、くらいだろう。さらっと紹介してはいるが、神殿ハンデスのために必須な蘇生罠神殿にアクセスする方法は数多くあり、その中から、効率よく、ゴミが少なく、EX消費が少なくなるなるような方法を取捨選択して最終的にたどり着いたのがこれなのである。その過程こそ、ソリティア作成の醍醐味である。ぜひ自ら味わってほしい。

他に選択肢としては、キュリオスグリフォンで戦線復帰サーチ、ケルビーニで魔サイ神殿落とし、フェレットで神殿落としなどがあった。

最終盤面

FTKでない。しかも全ハンデスであるため、後攻の時点でソリティア失敗となってしまう残念な最終盤面である。しかし、今回はコンセプトの時点でそれが決定事項なのでそれを修正する気はない。EX枠が余っているので、後攻のときはそれを使って普通に戦う。

ゴミ

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神樹、ジェット、イルカ(星遺物星杯)、神殿、導きの5枚であり、神殿ハンデスにしてはなかなか少ない。神殿と蘇生罠の2枚は必須なので、これ以上のゴミは展開のために渋々採用するわけだが、導きのコストのために星遺物を1枚神子を出すために2枚がどうしても必要なので、それを踏まえると類似ルートの中でも最低枚数に抑えられていることが分かる。

EX消費

マイティ2枚、ハリ有り、アーデク込みで12枚である。アーデクは必須ではないので、何かただならぬ事情があってアーデクを不採用とするなら、11枚である。

空きの3枠には、マイティ3枚目と、汎用的なヴァレソとユニコーンを入れた。

手札コスト

ジェットを蘇生する場合、手札コストが初手から1枚要る。誠に情けないことだが、妥協した。

というのも、ただ捻出するのが面倒だったから、というわけではもちろんなく、手札コストは必須ではない&この妥協で得られるものが大きいという理由がある。

前者についてだが、このソリティアにおいてジェットの蘇生はアーデクを出すためor攻撃力合計を8000より大きくするために行う。つまり、ジェットが蘇生できなくても神殿ハンデス自体は成立する。手札コストを、「払えれば最終盤面を強くできるオプション」とみなすことができるのだ。

とは言っても、手札コストを捻出しておくに超したことはない。が、ここで効くのが後者の理由である。手札コストを捻出するには、どうしても追加でエメラルなどのカードをEXに加えなければならない。そうすると、EX枠の空きが少なくなる。別に15枚まで躊躇なく使ってもよいのだが、このソリティアは「ゴミもEX消費も少ないコンパクトな実用的ソリティア」を目指して作っていたため、EX枠が空くメリットの方が重要だと判断し、断腸の思いで手札コストの捻出を諦めることにした。

素引きケア

素引き不可カードはネズ3枚マジ3枚だけ、つまり理想的な状態である。

素引きして困り得るゴミは、神子でリクルートするイルカとキュリオスで落とす神殿であるが、ジェットを使うタイミングがあるので神殿はそれで捨てればよい。イルカは元々導きのコストのためにリクルートするのであるから、手札にいるなら場に出さず手札から導きのコストにしてしまえばよい。したがって、素引き不可ゴミは無い。

誘発ケア

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最大枚数の11枚投入可能なので11枚。半魔導については、展開がメインフェイズ外に及ぶため一見採用できないように思えるが、今回はメインフェイズ中にアーデクを立てるため、メインフェイズ外の妨害をアーデクでケアすることができる。よって、メインフェイズ中だけ半魔導で誘発ケアをすることに意味があるので、半魔導は採用となった。

また、ハリは展開ルートで使用、レスキャは不採用のため、貫通ルートは無い。

・・・

以上である。実際に作ってみると、すべての観点において理想を実現するのではなく、いくつかの妥協をしていることが分かる(FTKではない、アーデク無しの初動、手札コストありなど)。どの点で妥協し、どの点を理想に近づけるかというのは、自分の目指すゼンマイソリティアによることであり、正解は無い。

・・・

ゼンマイソリティアとは

ゼンマイソリティアとは、カテゴリ「ゼンマイ」を用いた先攻展開のことである。

ソリティアというものは、しばしば美しさが求められる。

何をもって美しいとするのかは決まったことではないが、本記事を読んだあなたには、勝利を目指すソリティアこそ美しいのだという本記事の態度が分かっていただけただろう。

ゼンマイソリティア初心者は、ゼンマイソリティアの序盤はとりあえず本記事を参考に作り、それ以降に関しては自分自身のソリティアに対する態度如何で、本記事を参考にされたし。

 

 ・・・

 

これで記事はオシマイである。

ゼンマイハンターが緩和される、その日まで。

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かわいい


それでは。

 

 

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