螺旋式うぇーぶ

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バラノラが長文を書きたいときのためのブログ

ゼンマイいまこう8(ゴーストリックの駄天使)


やあ。
2023年4月のスプライトエルフ禁止、6月のトランザクションロールバックによる0枚拮抗、7月の金満で謙虚な壺制限、9月の魔砲戦機ダルマ・カルマ来日、ついでに一応9月のロンゴミアント禁止により、かつてのゼンマイの型(→ゼンマイいまこう7(採用カード) - 螺旋式うぇーぶ)は大幅に弱体化してしまった。というか完全に終了してしまった!
それだけで新たな型のゼンマイを組む理由は十分なので、きょうは新たな型の、そして当然大会環境で勝ち上がるためのゼンマイデッキを考えていこう。


▼△▼△▼遊戯王デッキレシピ▼△▼△▼
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デッキ名:【0ゼンマイ駄天使23.10.13】
メインデッキ:40枚
エクストラデッキ:15枚
サイドデッキ:15枚
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【 モンスター 】27
エフェクト・ヴェーラー
サイコウィールダー
ゼンマイシャーク ×3
ゼンマイドッグ ×2
ゼンマイネズミ ×3
ゼンマイマジシャン ×3
レスキューキャット ×3
増殖するG
未界域のジャッカロープ
未界域のツチノコ
灰流うらら ×3
No-P.U.N.K.セアミン ×2
NoーP.U.N.K.フォクシー・チューン
SRタケトンボーグ
SRベイゴマックス

【 魔法 】10
アーマード・エクシーズ
ゴーストリック・ショット
スモール・ワールド ×3
墓穴の指名者 ×2
抹殺の指名者
緊急テレポート ×2

【 罠 】3
ゴーストリック・リフォーム
フル・アーマード・エクシーズ
無限泡影

【 エクストラ 】15
FNo.0 未来龍皇ホープ
FNo.0 未来皇ホープ
ゴーストリック・アルカード ×2
発条空母ゼンマイティ ×2
No.75 惑乱のゴシップ・シャドー
ゴーストリックの駄天使 ×2
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ
エクシーズ・アーマー・フォートレス
FA-ダーク・ナイト・ランサー
発条補修ゼンマイコン
I:Pマスカレーナ
世海龍ジーランティス

【サイドデッキ】15
ドロール&ロックバード ×2
増殖するG ×2
粘糸壊獣クモグス
ハーピィの羽根帚
ライトニング・ストーム ×2
冥王結界波 ×3
レッド・リブート
拮抗勝負 ×3

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このデッキは「構築王」によって作成されました。

どんなデッキにする必要があるか?

先攻における最終盤面は、ロンゴミに勝るとも劣らないFTK(First Turn Kill;先攻ワンキル)相当のものにしたい。流石に現代において、先攻うんにゃら妨害!相手はこれを越えられない!みたいなのをゼンマイでやろうとするのはリスクとリターンが見合っていない。
しかし、現在のゼンマイで現実的に可能なFTKはロータス・駄天使・マック・カタパルトあたりであり、現実的といえどもEX消費が最低でも12は必要なものばかりで、柔軟にマッチ戦を勝ち抜けるほどのデッキの強度は無いと感じる。
しかも、FTKというのは妥協盤面というのが存在しない。ロンゴミであれば7体素材で最大盤面で、それ未満の弱い状況でも6素材5素材の妥協盤面というのが作れたのだが、例えば駄天使では7体素材相当の盤面でFTK、それ未満では何も無しとなってしまうのだ。その事実はデッキの強度の無さに拍車をかける。
・・・
ということで、新たな構築の方向性を見出す必要がある。FTK相当の最終盤面を誇りつつ、柔軟なEX枠を持ち、時には妥協盤面も作れる、そんな…

FTK可能+αを持つ構築とは?

駄天使ワンキルをやることにする。数あるFTK手段の中から駄天使を選ぶ最も根本的な理由は、EX枠を節約できそうだからだ。
駄天使ワンキルのために必要なEXの大部分を占めるゴーストリックXモンスターは、いろんなデッキで使われている未来龍皇を出すための出張パーツとほぼ一致している。また、ゴーストリック以外に本当に必須なものはコートオブアームズとゴシップシャドーのみであり、それ以外の展開のためのカードというのは初動条件の方を妥協すれば削ることができるのだ。
未来龍皇をEXに組み込めるというのは、柔軟なEX枠を取るという意味でも妥協盤面を作れるようにするという意味でも重要になる。また、さらにEX枠を空けることで、他の汎用的なカードを採用することができるようにもなる。
そのためにはどうしても初動条件の妥協というのが必要なので、この駄天使構築では、強い初動の時はFTK、弱い初動の時は妥協盤面の形成というような形を取ることにする。

具体的なプラン

駄天使ワンキル展開を精査したところ、展開のためのEXにどうしてもジーランティスが必要にはなってしまったものの、他は後頭部とゴシップのみで、ベイゴマ以上(ロンゴミでいう、6素材以上)からはFTK可能だと分かった。展開のために使う他のEXもできるだけ妥協盤面や後手まくりにも使えるカードで構成することにより、ベイゴマ未満の初動からは「未来龍皇+ダークナイトランサー+リトルナイト+ジーランティス」という妥協盤面を作れるようにできた。
FTK可能ながらEXにランク3からの汎用的な攻め手であるゴーストリックアーマードエクシーズ系、そしてリトルナイトを採用できていることにより、FTK不可な初手からでも妥協盤面を作れたり、後手においても展開量をきちんと確実に妨害を踏む手段に変換することができるようになった。

展開ルート

こまっかい展開ルートの話はここでまとめてしておく。全網羅は動画だけ用意しておいたので、ルートの確認だけしたければYoutubeチャンネルバラノラの仮眠室ブログ用 - YouTubeを参照されたし。

共通ルート

まず、駄天使ワンキル成立のためには、ジーラン未使用の状態でジーラン+ネズ+マジ+★3ゼンマイ+★3ゼンマイ+ゼンマイ」を並べればよい。ネズやマジ、★3ゼンマイ2体が必須ではあるものの、自然に展開していれば場にいるゼンマイはこのようになるため、実質「EXゾーンにジーラン+ゼンマイ5体」を目指すようなものである。
その後、共通のルートとして(例えばジーラン+ネズ+マジ+マジ+シャーク+シャークを並べたとしたら)

ジーランef全部除外マジ×2シャーク×2ネズssシャーク×2ef★3でアルカードAssネズefネズssマジefマジssマジ×3で後頭部ssネズ×2でゴシップssef後頭部6素材efアルカードAコピーアルカードAで駄天使Assefネズ外してリフォームサーチ駄天使AでフォートレスssefアルカードA駄天使A外してアマエクフルアマエクサーチアルカードAef駄天使A回収後頭部で駄天使A'ssefリフォーム素材駄天使A'efリフォーム外してショットサーチリフォームef駄天使A'でアルカードBssで駄天使Bssefショット素材
盤面:フォートレス+駄天使B(10素材)

とすれば展開成立となる。
これが最も典型的なパターンだが、これ以外では5体埋めなくてもよいジーラン+ネズ+ネズ+マジ+ゼンマイ」というのもある。★3×3初動の時などはこのパターンで展開しなければならないため、以上の2パターンが駄天使ワンキルのための要件だと覚えておく必要がある。代表的な展開例を以下にふたつだけあげておこう。

マジ+シャーク

www.youtube.com
マジAnsシャークAefssマジAefマジBssシャークAef★3マジBefドッグAssシャークAドッグAでマイティAssefネズAssマイティAマジAでマイコンssefシャークBサーチネズAefマジA'ssマイコンefネズA除外ネズBssマジA'efドッグBssネズBefシャークA'ssネズBドッグBでマイティBssefネズCssマイコンマイティBマジA'でジーランssネズCefマジA''ssシャークA'ef★3マジA''efシャークCss
盤面:ジーラン+ネズC+マジA''+マジB+シャークA'+シャークC+手札シャークB

ss★3×2

www.youtube.com
マイティAssefマジAssマイティAマジAでマイコンssefネズAサーチnsefマジA'ssマイコンefネズA除外ネズBssマジA'efマジBssマイコンマジA'でリトルナイトssネズBefマジA''ssマジBefシャークAssef★3マジA''efシャークBssネズBシャークAでマイティBssefネズCssリトルナイトマイティBマジA''でジーランssネズCefマジA'''ssシャークBef★3マジA'''efドッグAss
盤面:ジーラン+ネズC+マジA'''+マジB+シャークB+ドッグA

素引き不可ゴミ

ここで、実際に上のルートを回してみたら気づくであろう、素引き不可ゴミについて考えていこう。
上の展開で用いているゴミはリフォーム・ショット・アマエク・フルアマエクの4枚(アマエク系は展開に用いているわけではほとんどないけど、ここではフォートレスの素材を外すために用いることになっている)で、どれもサーチのために素材を外す必要があるので素引きしていると素材が外せなくてルート通りにいかなくなる
では素引きしているとFTKできないのかというとそういうわけではなく、素引きしている枚数と初動条件次第でFTK可能となる。

まず、どれか1枚だけ素引きしている場合。これはどんな初動でもFTK可能となる。
素引きがリフォームならサーチを飛ばすだけ。アマエク系の場合、フォートレスの素材でアルカードと駄天使を同時に外せないことが問題なわけなので、駄天使の効果でアルカードを外し、フォートレスで駄天使を外し、アマエクを発動してアルカードを装備して剥がせばそこでアルカードを起動できて駄天使を回収できるのでOKとなる。ショットの場合、2回目の駄天使の素材を外せなくてリフォームを墓地へ送れないことが問題なわけなので、1回目の駄天使でアルカードを外し、その駄天使にリフォームを埋め、フォートレスで駄天使とリフォームを外せば上と同様アマエクでアルカードを起動してOKとなる。

次に、2枚か3枚素引きしている場合。これは、展開でリトルナイトを用いない初動においてFTK可能となる。
逆に展開でリトルナイトを用いる初動というのはss★3×2★3×3だけであるので、それ以外のマジ+セアミンマジ+シャーク以上の初動であれば、2枚か3枚の素引きも耐えるということになる。
達成すべきポイントは「リフォームを墓地へ送ること」アルカードで駄天使を回収すること」である。4枚のゴミのうち1枚でもデッキにあれば、1回目の駄天使かフォートレスのどちらかは素材を外すことが可能なので、そこでアルカードを外し、リフォームを駄天使に埋めておく。ショットでアルカードを蘇生し、フォートレス+アルカードでリトルナイトをssすればOKとなる。

4枚全部引いたとなると…展開でリトルナイトを用いず、かつモンスター1体追加できる初動ならばFTK可能となる。
2枚か3枚の時の展開のアルカード蘇生分を適当なモンスター1体で補ってリトルナイトを出せばOKとなる。

以上。現実的によく起こり得るFTK不可パターンというのはほぼベイゴマ初動かつゴミ2枚引きといものなので、その時のみはFTK不可なのだということに気をつければ、後は素引き不可を気にする必要はほぼ無くなる。

必要なゼンマイの枚数

そして、上の素引き不可ゴミについて考えていたら自然に考えることになるであろう、ゼンマイの素引き不可ゴミについてもここで考えていこう。
ゼンマイの展開において素引き不可なのは、この駄天使ワンキルの展開に限らずネズ3枚またはマジ3枚である(デッキのゼンマイが足りなくなるため)。同名3枚のパターンなのでさすがに構築段階では無視してよいし、特段これ以上考えることも無い。
考えるべきなのは、このネズ3枚やマジ3枚以外のパターンでデッキのゼンマイが無くなって展開不可能にならないような最低限のゼンマイの枚数である。要は、スモワでゼンマイを飛ばしたり、サイドチェンジでゼンマイを減らすことがどれだけ許されるかということである。
駄天使ワンキルでは後頭部・ゴシップ・アルカードのために合計7体のゼンマイの出力が必要で、展開途中でネズが1体除外されるため、最低でも8体のゼンマイを用いることが必須となる。さらに、スモワで手札やデッキのゼンマイを1枚飛ばしたり、初手にゼンマイを引いていてどうしても展開に絡められない(マジ2枚引きなど)という状況のために1枚くらい余裕を持たせると、9枚のゼンマイが採用されていれば十分展開は可能そうである。元々のデッキ内のゼンマイの枚数はシャーク×3、マジ×3、ネズ×3、ドッグ×2の11枚なので、サイドチェンジではマジとドッグを1枚ずつ減らして9枚にしてもよいだろう。

展開ルート

youtu.be
猫nsefドッグAジャッカssでマイティAssefネズAssefドッグAssマイティAドッグAでマイコンssefシャークAサーチマイコンefネズA除外ネズBssefドッグAssでマイティBssefマジAssシャークAefssマジAefマジBssシャークAef★3マジBefネズCssマイコンマイティBマジAでジーランssef全部除外ネズC'マジB'シャークA'ジーランssネズC'efマイティA'ssでフォートレスssefフルアマエクサーチシャークA'ef★3マジB'efシャークBssマジB'シャークBでリトルナイトssネズC'シャークA'でアルカードAssで駄天使AssefショットサーチefアルカードA'ssで駄天使Bss駄天使ABで未来皇ss未来龍皇ss
盤面:未来龍皇+フォートレス+リトルナイト+ジーラン+フルアマエク+手札ショット+手札リフォーム

駄天使ワンキルの要求値を妥協してベイゴマ以上に引き上げたため、それ未満の(★3ゼンマイ+ss★3)相当ではこのような妥協盤面を作ることになる。未来龍皇による質の高いモンスター無効とフォートレス+フルアマエクからのダークナイトランサーによる質の高いモンスター除去(フリチェ,対象取らない,装備カード化)、ついでにリトルナイトとリトルナイトを戦闘から守れるジーランティスを添えた3~4妨害盤面なので、FTKの余りで組んだにしてはきちんと勝利を狙えるレベルのものになっている。
ネズ+★3ゼンマイ初動の場合はさらにもう少し弱くなって未来龍皇+ダークナイトランサー+リトルナイトだけになってしまうのだけど、まあこれでも十分。

後手での戦い方

先攻においてはここまで話したFTKや妥協盤面を作ることがほぼすべてと言ってよいのだけど、問題は後攻での強さとなる。
このデッキでは10枚前後のサイドチェンジを行うことができるので、チェンジ後の後手についてはサイドカードもある程度使っていくことが前提なのだけど、サイドカードを引けていない時や1本目の後手についても完全に捨てているわけではない。
ランク3でアルカード→駄天使→未来龍皇のの動きをすればセットカード破壊+モンスター無効にたどり着けるので確実に妨害を踏むことができるし、適当なゴーストリックに重ねてフォートレス→ダークナイトランサーとすることでもモンスター除去を行えるので、そういった動きで妨害を踏んだ後にゼンマイの動きを通しに行くことになる。ゼンマイを動かせた後は猫初動の妥協盤面のような展開をして蓋をするか、アマエクの連続攻撃によるワンキルを狙う。例えば、ダークナイトランサー(駄天使装備)+駄天使(アルカード装備)みたいな盤面にできたとすると2600+3100+1800+2000=9500で、ダークナイトランサーの除去効果を使っていれば10100、リフォームの変身も使えば11900…と簡単にワンキルラインの打点を並べることができる。

おわりに

以上、ロンゴミアントを失った今期のゼンマイは、ベイゴマ以上から駄天使ワンキル(素引き不可ゴミは結構引いてもOK)猫からは龍皇ランサーリトナジーランを目指し、サイドチェンジではゼンマイをギリギリまで減らしながら10枚前後の枠を確保した上で、後手ではゴーストリックアマエク系で妨害を踏んだりワンキルを目指したりするデッキとなった。
ロンゴミのころと比べると正直、駄天使成立自体の強度が無かったり金謙の安定感や後手捲りが無かったりドロバ・アトラクター・深淵の獣などの誘発をより受けやすくなってしまったりなど弱体化した面が目立つのだけど、その分重視した本構築の強みはロンゴミのものとはまた別のものであると信じているので、しばらくはこの型を研究していこうかな。
ロンゴミのころも初案ではエルフが無かったりまだまだ煮詰まっていなかったわけだから、この型もこれからブレイクスルーを起こしてさらなる強化をしていきたいね。

それでは、おしまい!

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