(この記事の結論は、追記によって訂正されます)
やあ。
さいきん、クシャトリラがメインモンスターゾーン5面封鎖をしてくるらしい。
そんな5面封鎖の回答として有り得るのは、例えば直接EXモンスターゾーンになんかを特殊召喚できる魔法(主に融合魔法)など。
その中に、特にナンバーズ・エヴァイユというカードが存在する。
エヴァイユで強力なNo.モンスターをバン!と出してしまえば、メインモンスターゾーンが封鎖されていようとも相手の場のアライズハート+シャングリラ+etc.を解決し得る。なるほどね。
しかしそこには、欠点がある。
それは、5面封鎖時には相手のディアブロシスの効果でこちらのEXデッキが1枚削られているということである。
5枚のEXデッキのカードを消費するエヴァイユは、もちろんその内の1枚でも削られてしまっては成立しない。
なので、5面封鎖の回答としてエヴァイユを用いる場合はディアブロシスのEXデッキ1枚削りを考慮したEXデッキの構成にする必要がある。
そこで、問が生じる。
問:ナンバーズエヴァイユの発動のためには最低5枚のエクストラが必要。しかし五面封鎖の回答としてエヴァイユを使用するなら当然ディアブロシスによる除外を考慮しなければならない。
— かをぽっぽのあ (@chaos_jar) 2022年10月25日
ディアブロシスにどのカードを除外されてもエヴァイユを発動できるようにするには最低何枚のエクストラが必要か。
確実にエヴァイユを発動することができるようなEXデッキの最小の枚数はいくつか。
きょうは、この問について考えていく。
ーーー
問の答えとなる枚数が6以上10以下であることは明らか。
なぜならば、5枚以下ではエヴァイユが発動できない事は簡単に分かるし、10枚以上あればエヴァイユ対応の5種×2の採用で確実にエヴァイユを発動できるEXデッキを構成できることが分かるから。
そして、ごちょごちょEXデッキを構成した結果、8枚でも確実にエヴァイユを発動できることが分かった。
1,1,6,6,73,73,81,86を採用することで、何が抜かれても
1+1+6+73=81 (6か86を抜かれた時)
1+6+6+73=86 (1か81を抜かれた時)
のいずれかの組み合わせでエヴァイユを発動できる。
しかも、8枚での組み合わせは選び方の余裕があり、ssするモンスターをスペリオルドーラorロンゴミアントにするという、想定しているクシャトリラの盤面に対して少しでも強そうなモンスターを選ぶことすらできてしまう。
ということで、問の答えとなる枚数は6以上8以下であることが分かった。
ーーー
となると、次は7枚のEXデッキの構成を考えたい。
が、まず一旦ごちょごちょ考えてみたところ、どうも7枚での組み合わせはなかなか見つからない。どうやら、できなさそうである。
そうなると問の答えは8ということになるけども、7で不可能である根拠が今の「なんかできなさそう」しか無い。
というわけで、もう少し詳しく、7で本当に不可能なのかということを調べていきたい。
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先の8枚での具体的な構成を見てもらえれば分かる通り、構成のキモは「ランクが異なりNo.が等しい2枚」である。
そういったカードを採用しておけば、ランクが異なるがゆえ同時にそれら2枚を選ぶことができるので足し算で作れる数の種類が多くなる上、どちらかが抜かれる際もどちらが抜かれた場合でもNo.が等しいがゆえ足し算で作れなくなる数の種類が少なくなる。
なのでなるべく多くの「ランクが異なりNo.が等しい2枚」を採用した方が、エヴァイユ確実発動EXにしやすい傾向がある。(傾向であって、厳密な話ではない)
ちなみに、「ランクが異なりNo.が等しい3枚」というのがあればもっと楽になりそうだけど、それはNo.39のみが該当する。
が、これら3枚を素材にした足し算でssできるNo.は値が大きすぎて存在しないので、3枚の39を含む7枚のEXデッキではエヴァイユ確実発動は不可能であると分かる。
ゆえに、やはり「ランクが異なりNo.が等しい2枚」をなるべく多く採用しながら7枚を構成することが、エヴァイユ確実発動のためのキモとなりそうである。
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「ランクが異なりNo.が等しい2枚」に該当するNo.は以下。
1,2,3,4,5,6,9,15,39,40,43,65,69,73,80,88,92,96,101,102,103,104,105,106,107
主にCNo.のカードたちと思ってもらえればよい。
これらをなるべく使っていきたい。
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7枚のEXデッキでなるべくNo.を被らせるためには、以下のような組であればよい。
(a,a,b,b,c,c,k)
ただし、a,b,c,kは非負整数で、k≠a, k≠b, k≠c, a<b<c としてよい。
このような7つの数の組で、エヴァイユ確実発動の条件を満たすものを考える。
(1) aが抜かれる場合:
(a,b,b,c,c,k)の内4つの和が残りの内1つに一致しなければならない。
和の値として用いることができるのは大小関係の条件よりc,kのみであるので、和の取り方は以下のいずれか。
①a+2b+k=c ②a+2b+c=k ③a+b+2c=k ④2b+2c=k
(2) bが抜かれる場合:
(a,a,b,c,c,k)で、aの時と同様にして、和の取り方は以下のいずれか。
①2a+b+k=c ②2a+b+c=k ③a+b+2c=k ④2a+2c=k
(3) cが抜かれる場合:
(a,a,b,b,c,k)で、同様にして、和の取り方は以下のいずれか。
①2a+2b=c ②2a+b+k=c ③a+2b+k=c
④2a+2b=k ⑤2a+b+c=k ⑥a+2b+c=k
(4) kが抜かれる場合:
(a,a,b,b,c,c)で、和の値として用いることができるのはcのみ。
ゆえに和の取り方は以下。
①2a+2b=c
ここで、a,b,c,kが(1)〜(4)の条件を全て満たすと仮定して、そこから導かれる条件を考える。
まず、(4)-①(2a+2b=c)を満たさなければならないことから、いくらか他の式が排除できる。
(3)-①(2a+2b=c)は(4)-①(2a+2b=c)と全く同じ式であるため、(3)-②〜⑤は満たさなくてもよい。排除する。
次に、このc=2a+2bを(1)(2)の式に代入してみると、こうなる。
(1)
①k=a ②3a+4b=k ③5a+5b=k ④4a+6b=k
(2)
①k=b ②4a+3b=k ③5a+5b=k ④6a+4b=k
(1)を見ると、k≠aの仮定から(1)-①は満たすことができない。
仮に(1)-②や(1)-④を満たした場合(2)をいずれも満たせなくなることが簡単に分かるので、(1)-②,④も満たすことができない。
よって、(1)-③を満たさなければならない。
すると同時に(2)-③も満たしたことになるので、(2)-①,②,④は排除してよい。
以上より、導かれた条件は以下となる。
2a+2b=c and 5a+5b=k
そして、この条件さえ満たせば(1)〜(4)全ての条件を満たしたことになる、すなわち、どのNo.が抜かれても足し算が成立する組み合わせを作ることができるので、これは(a,a,b,b,c,c,k)という組におけるエヴァイユ確実発動の必要十分条件となる。これ以外にやりようは無いという意味である。
ーーー
ホントに大丈夫なのかどうか確かめてみよう。
(a,a,b,b,c,c,k)という組(ただし、2a+2b=c かつ 5a+5b=k)であれば、
a+b+c+c=k (aかbを抜かれた時)
a+a+b+b=c (cかkを抜かれた時)
というふうに、どこを抜かれても確かに足し算を成立させられる。
ーーー
さて、あとはこの式を満たすNo.a,b,c,kを取ってくればよいだけだ。
a,b,cは例の「ランクが異なりNo.が等しい2枚」を用いなければならず、しかもc=2(a+b)よりcは偶数(≧6)でなければならないため、cから見つけていくと効率が良さそうだ。
該当するNo.は…
6,40,80,88,92,96,102,104,106
c=6とすると、a=1,b=2でちょうど…
ダメ。No.1とNo.2に同じランクのモンスターが存在してしまっているため、1+1+2+2=6と選べない。
c=40とすると、a=5,b=15でちょうど…
ダメ。No.15とNo.40に同じランクのモンスターが存在してしまっているため、40とランクが被っていない方の15を抜かれてしまうと、5+15+40+40=100と選べない。
c=80とすると…これもダメ。k=200が存在しない。
これ以上大きなcを取ってきても、やはり大きすぎてkが存在しない。
ということで、残念ながらこの式を満たせるNo.たちはカードプール上に存在しない。
つまり、(a,a,b,b,c,c,k)という組においては、論理的にエヴァイユ確実発動は不可能である。
やっぱりか…
ーーー
というわけで、7枚エヴァイユが可能なのかどうか気になったので詰めてみた。
結果としては、少なくとも(a,a,b,b,c,c,k)タイプのEXデッキでは現在のカードプールでは不可能であることが、論理的に確実に正しい方法で証明できた。
今後カードプール的に(a,a,b,b,c,c,k)タイプでの7枚エヴァイユが可能になるためには、39以外の「ランクが異なりNo.が等しい3枚」や、偶数である新たな「ランクが異なりNo.が等しい2枚」が登場する必要がある。
7枚エヴァイユ自体の不可能性については、まだ(a,a,b,b,k,l,m)タイプなどで不可能であることを証明できていないので、7枚エヴァイユ自体が不可能であると断言はできない。
のだけど、先の議論の通り「ランクが異なりNo.が等しい2枚」をなるべく用いた方が構成しやすいという傾向(未証明)から考えると、(a,a,b,b,c,c,k)以外のタイプでも不可能である可能性は高いと考えられる。
中途半端なところまでの証明になってしまったことは残念だけど、エヴァイユの組み合わせの条件を考えるのは楽しかったので、とりあえずまとめておいた。
誰かの何かに参考になると、うれしいな…
(a,a,b,b,c,c,k)以外のタイプでの不可能性が証明できたり、もしくは可能である構成を見つけることができた人がいれば、ぜひ教えてください。
〜〜〜追記〜〜〜
少なくとも、可能なのは間違いないです
— ここりん🐟 (@kokorinn_666) 2022年10月28日
パターンが膨大すぎて網羅するのは難しそうですが
今の途中経過がこんな感じです pic.twitter.com/0cOHcrSk3z
7枚エヴァイユ、全然余裕で可能でした。
流石に不可能性を証明できた(a,a,b,b,c,c,k)タイプではありませんでしたが、不可能性を証明できていなかった(a,a,b,b,k,l,m)タイプでは実は可能だったようです。
例えば(1,1,6,6,14,22,35)という組で可能で、
1+1+6+6=14 (22か35が抜かれた時)
1+1+6+14=22 (6が抜かれた時)
1+6+6+22=35 (1か14が抜かれた時)
と足し算を成立させることができます。
また、カードプール的な問題も大丈夫で、
というふうに、ランクが被らないようなカードの組み合わせが存在します。
一つでも可能な例が見つかれば不可能性は否定されるので、この記事の結論はまるまるひっくり返って「7枚エヴァイユは可能」となりました。
では6枚エヴァイユは可能なのかというと、これは今度こそ不可能です。
6枚の組を(a,b,c,d,e,f)(ただし、a≦b≦c≦d≦e≦f)とすると、
a+b+c+d=e (fが抜かれた時)
a+b+c+d=f (eが抜かれた時)
a+b+c+e=f (dが抜かれた時)
a+b+d+e=f (cが抜かれた時)
a+c+d+e=f (bが抜かれた時)
b+c+d+e=f (aが抜かれた時)
の全てを満たす必要があり、それができるのはa=b=c=d=e=f=0の時しかありません。
(∵1本目と2本目を見比べてe=f、2本目と3本目を見比べてd=e、…としていくとa=b=c=d=e=fが分かります。それを1本目に代入するとa=0となります)
ランクが異なるNo.0が6枚存在しなければこれは構成できませんが、カードプール的に存在しないので、6枚エヴァイユは不可能と証明できました。
よって、冒頭の問「確実にエヴァイユを発動することができるようなEXデッキの最小の枚数はいくつか。」の明確な答えは「7枚」です。
お騒がせいたしました…
〜〜〜追記終わり〜〜〜
それでは、おしまい!