緑風の候、皆さんいかがお過ごしですか。
こんちには。
バラノラと申します。
さて、皆さんは斬機というデッキをご存じですか。
私は普段関東のCSにて斬機を使っており、ベスト8以上の入賞も複数回しております。
以前でこそCSで斬機を使う者は私1人だけだったのですが、ここ最近は少しずつ斬機の使用者が増えているように思います。
だからというわけではありませんが、きょうはこの斬機について、全く知らない人から少し知っている人たちに向けて、デッキ解説をしていこうと思います。
特に、斬機を組み始めた人から頂く質問にありがちなことを中心に話していきます。
斬機の概要
まずは、直近の構築となる4/18朝霞杯2onで使用した構築をご覧ください。
(少し古くて申し訳ありませんが、国の指示に従っています)
戦績:
シャドール ◯◯
60サンダー ×◯×
サンダー ◯×-
オルフェ ◯◯
トナメ
十二獣 ◯◯ (横負けで敗退)
斬機とは、もしかしたらコードトーカーに似ているデッキなのかとか、後攻ワンキルデッキなのかとか思う方もいるかもしれませんが、そのどちらでもないのでそれらのことは忘れてください。
斬機とは、言うなれば鉄獣戦線に近いデッキです。
先攻ではモンスター効果により展開をして、リボルトみたいな罠を構えてエンドします。
リボルトみたいな罠とは斬機超階乗のことであり、斬機ダイアを素材にした塊斬機ラプラシアンをサイバース・ウィキッドのリンク先にssすることで、妨害とリソースを確保するところまでリボルトと同じです。
(↑リボルトみたいな罠)
(↑素材にすると無効効果付与)
(↑ハンデス付きシュライグ)
(↑リソース確保、あと耐性)
攻撃可能ターンでは、ここからは鉄獣と違いますが、サイバースの展開力を用いて斬機マルチプレイヤーを素材にした炎斬機ファイナルシグマもしくはアクセスコード・トーカーによるワンキルを狙います。
(↑素材になると攻撃力2倍)
(↑モンスターとの戦闘ダメージ2倍)
これらの動きは残念ながら1枚初動で行うことはできせんが、電脳堺のようにデッキ内のサイバースのほぼどの2枚組でも行うことができるので、今のサイバースの採用枚数を保っている限り、安定した先攻展開、後攻ワンキルを行うことが可能です。
斬機の展開
代表的な先攻展開ルートをひとつ紹介します。
シグマ+サブトラ
ブログ用 シグマサブトラ pic.twitter.com/hjd1xq330N
— バラノラ (@psychicbaranora) 2021年5月6日
こんな感じに、先攻ではディサイディヴォを起点として墓地に3種類斬機を貯めつつ超階乗をサーチします。
動画では斬機ナブラを召喚権で場に出していますが、召喚権が余らない初手の場合はバランサー・ロードの除外時効果やコード・トーカー・インヴァートの効果で場に出すことになります。
なので、他の初手の場合も多少手順は違えど大体同じような感じで同じことができます。
また、後攻では臨機応変に動くことになるのですが、その際に気をつけることがいくつかあります。
1つ目はダイア入りダランを早めに立てることです。
これがあるのは斬機の大きな利点のひとつなのですが、展開の起点となるサーチモンスターに無効効果がついてます。
(↑無効効果を付与する)
(↑展開の起点となるサーチ効果)
これにより斬機カードをサーチしつつ、相手の妨害をケアして展開できるようになります。
2つ目は、ディヴォのss時効果です。
ディヴォを出すとご存じの通りターン中リンク3以上のモンスターが出せなくなってしまうので、実質アクセスが封じられます。
アクセスは無くても斬機はファイナルでのワンキルを狙うことができるので、それができる状況であれば問題ないのですが、そうでないときはディヴォを出してはいけません。
また、ファイナルでのワンキルが可能なときは大抵アクセスでのワンキルも可能なので、できればディヴォは使わず、ファイナルのワンキルに妨害を受け不可能になったときにアクセスに転向できるようにしておいた方が良いです。
ファイナルのワンキルはバトルフェイズ中の墓地のお片付けや幻影翼などの影響を受けないから優先するというのもあります。
しかし、ディヴォを使ってまでもマリガンをしたいという場面もあるので、ディヴォを使わない方が良いとは、一概には言えません・・・
ーーー
ここまで具体的な展開ルートを使わずに説明してしまいましたが、具体的な展開ルートが知りたいという方がもしいたら、こちらの動画をご覧ください。
また、同チャンネルの別の動画に斬機の対戦動画もあるので、実戦を見たい方はそちらもご覧になると良いと思います。
斬機の構築
もう一度構築を貼ります。
ここからは、上で述べたような動きを実現するために、デッキがどのように作られているのかを解説いたします。
まず、先の通り斬機は複数枚初動デッキなので初動札を多めに採用しなければなりません。
今構築では全体のおよそ3/5になるよう、サイバースを23枚採用しています。
これは、先攻で3枚初動札があると妨害ケアを踏まえた動きができるからです。
そして残りは、必須ゴミやよくある指名者、手札誘発となっています。
(変に2枚採用になっているカードがあるのは、サイバースの枚数を23付近に調整するためです)
では、解説が必要そうなカードについて、解説して参りましょう。
デバッガ
初動札で、斬機に触れる2体分です。
デバッガ+ssサイバースなどの初手で、ジェネをサーチしジェネでナブラを出すためのインヴァを出すことで斬機を1体墓地へ送れます。
斬機ネームのサイバースというのはデフォルトだとシグマ、アディオン、サブトラ、ダイア他しか無く確実に初動に絡めて1枚墓地へ落とすには若干心もとない枚数なので、デバッガを疑似斬機ネームとして採用しています。
後攻ではその必要は無いので、ジェネはマルチを落としてアクセスの攻撃力を2倍にするために使用します。
ダイア3枚目
初動札としてはバランサかパラレルとしか組めないので、積極的に3枚採用するカードではありません。
先攻でナブラでssして1枚、相手ターンウィキッドでサーチして2枚までは必須です。
が、先攻ではこれを素引きしていることで誘発をケアしながら展開できるルートがある上、後攻でもなるべく早くダイア入りダランを立てるという目標を達成しやすくなります。
その働きをみた結果、3枚採用にしています。
一滴
デッキの性質上、前盤面を攻撃表示のまま無力化できればファイナルのワンキルが狙いやすくなり有利です。
前盤面というのはサイチェンで強くなるわけではないので、今期は鉄獣が多いということもありメイン採用です。
コストは、シグマや聖域くらいしか有効に切れるカードはありません。
聖域
ウィキッドの先にベイルを出して、ウィキッド1ベイル2とすることでウィキッドへの灰流を防げます。
その後のナブラに灰流を打たれたとしてもナブラには触れているので、返しのターントップのダイアnsからファイナルが出せるようになったりします。
また、上手く展開することでナブラへの灰流も貰わずに、完全に灰流をケアした先攻展開をすることも可能です。
展開がGで止まったときなどに、ランク4が可能ならこれをサーチして妨害を用意できます。
また、超階乗を素引きしているときにサーチして罠を2枚体制にすることもできます。
十二獣相手などなら1体破壊だけでも十分有効なので、1枚採用しています。
ダラン3枚目
先攻で1枚、返しで1枚使うので2枚は必須です。
3枚目はどのようなときに使うのかというと、単に試合がグダって3回出すとき以外は、主に超階乗で相手ターンに出すことになります。
超階乗でダランを出したい場面は意外と多く、チェーン墓穴で斬機を1枚抜かれたとき、斬機が3種揃わなかったとき、Gで止まって後続が無いときなど、相手ターンにダランを出しサーチ効果を使います。
ダイアが素材であれば1無効もあるので一応妨害になることもあります。
ーーー
こんなところかと思います。
あとは採用理由が分かりやすいものばかりです。
斬機のプレイ
Gの受け
例えばシグマ+サブトラ初動のとき、シグマss後ディサイを出す前にサブトラをssします。
そうすることで、サブトラにチェーンしてGを打たれたときにシグマがシグマのままなので、ランク4が組めて帰納法をサーチできるようになります。
また、シグマかサブトラをEXモンスターゾーンの下のメインモンスターゾーンにssしておくことで、ディサイss時にGを打たれた場合でもss回数を増やさずにディサイのマリガン効果を使うことができるようになります。
これより後にGを打たれるようであれば、0ドローで止まれるかマリガンでGを弾けるカードを引きにいけるので、どちらにせよ少しマシになります。
羽根の受け
先攻展開で超階乗+帰納法を構えているときに、羽根やライストを受けた場合チェーンで両方の罠を開きます。
こうすることで、ラプラの1ハンデス+1無効は残る上、帰納法はラプラの効果で破壊を免れます。
ライストモンスター宣言はウィキッドの耐性で何も破壊されないので、羽根ライストに対しては鉄獣以上の耐性があると思います。
墓地へ送る斬機
先攻展開で、なんでもよい斬機を1体墓地へ送る場面があります。
例えば、先も紹介したジェネで3種目を落とすときや、ダイア含む初動においてナブラでダイア以外をリクルートするときなどです。
そんなときは、当然シグマを墓地へ送ります。
シグマが既に墓地にあるとき、次に優先するのはマルチです。
シグマは次のターン以降ウィキッドが処理されたりリリースしたりすれば蘇生できるので当然です。
マルチは、あらかじめデッキから引っ張り出しておくことで次のターン以降安全にファイナルを出せるようになります。
というのも、ファイナルを出すためにナブラを使うというのは分かりやすく、楽ではありますが常に灰流うららの危険性がまとわりつきます。
そこで、マルチが墓地にあればウィキッドかダランでシグマをサーチし、マルチ蘇生と合わせてファイナルを立てることができるようになります。
ウィキッドはチェーンの順番で灰流を受けづらく、ダイア素材ダランのサーチも灰流で止められることは無いので、ナブラを使うよりよっぽど安全にファイナルを出すことができます。
(リリースをする必要もなくなりますね)
ウィキッドの耐性
斬機を使っていてこれを活かさない手はありません。
例えば相手が十二獣で、ドランシアのようなモンスターを破壊する妨害を構えているとします。
そのようなとき、まず最初にウィキッド成立を目指し、それからそのリンク先で展開してアクセスを出すなりダイア入りダランを成立させるなりします。
そうすることで、ウィキッド成立後は一切破壊による妨害を受けないので、リンク2以上やランク4に妨害を受けるというディスアドバンテージを回避できます。
リングリボー経由のウィキッドで、パニッシュメントによる2体破壊なども回避できるようになります。
先攻リングリ、アプデ
先攻での盤面はウィキッド+ダラン(+超階乗)となるのが基本ですが、ウィキッドの下にリングリやアプデを出しておいた方が良いことがあります。
(アプデは、盤面にサイバースがもう1体多いときにしかできません)
先攻では小型モンスターしか出さないというデッキの性質上、後攻からでもスキドレやセンサー、御前試合などを開かれると攻め手が確保できずに負けてしまうことがあります。
なので、そのような永続罠の採用が見えるエルドリッチなどのデッキ相手のときは先攻でリングリを出しておいて返しの永続罠に備えます。
また、ウィキッドが戦闘破壊されないのは基本的にはとても便りになるメリットなのですが、コードトーカーやヌメロン、斬機など高い攻撃力でダメージによるワンキルを狙える相手のときはデメリットになり得ます。
そのような相手のときは先攻でアプデを出しておくことで、元々の攻撃力による戦闘を強要しワンキルを防ぐことができるようになります。
アクセスの効果による破壊も、ウィキッドの耐性で受けません。
灰流ケア
先攻で、例えばいつもの2枚初動に加えサブトラを1枚持っているなど、特定の3枚組のときは灰流うららを完全にケアした展開が可能です。
上のような状況であれば、いつもの展開でナブラをサーチするところを代わりにダイアをサーチしてそのまま場に出し、サブトラを追加してダランをssします。
ブログ用 灰流ケア pic.twitter.com/KIpY1EsXr4
— バラノラ (@psychicbaranora) 2021年5月6日
泡やヴェーラー、γなどにはもちろん突破されてしまうケア方法ではありますが、現代での採用率、遭遇率を考えると灰流うららたった1種だけでもケアできることは、展開成立の頻度を大きく上げてくれます。
ニビルケア
要求値が高くあまり高頻度では使いませんが、ニビルまでをもケアした先攻展開ができる初動が存在します。
例えばバランサ+ダイア+サブトラから、以下のように展開します。
ブログ用 ニビルケア pic.twitter.com/ZNt1i7zzWL
— バラノラ (@psychicbaranora) 2021年5月6日
召喚5回以内にダランを成立させ、それを維持して展開するルートです。
また、ディサイより前にベイルを使えるためいらない聖域を戻して実質的に手札を1枚増やせます。
このノリの展開は上のように先攻でも可能ではありますが、実際輝くのは後攻です。
アディオン、サブトラ等を先打ちしリンク素材にすることでダイアの蘇生先を用意できるので、5回以内のダラン成立は後攻であれば自然に行えます。
ダイア単騎からの展開
短期決戦が叶わなかった際、トップで引いて強いカードはいつだってダイアです。
そんな今引き合戦では、相手もライフを取ろうと攻撃表示モンスターが立てていて、ファイナルさえ出せれば簡単にワンキルできるという場面のことも多いです。
ダイアの釣り上げ効果からファイナルを出すためには、以下の条件を1つ以上満たしていればOKです。
・墓地、手札にマルチがある
・墓地、手札にシグマがある
・墓地、手札にナブラがある
・サイバースを1体追加できる
それぞれの展開の仕方は、簡単なのですぐ分かるかと思います。
また、条件を2つ以上満たしていればダイア入りダランを維持したままファイナルを出せたり、ダラン+アクセスのワンキルもできたりするので、この条件のことは覚えておくとよいと思います。
条件を1つも満たしていなくてももちろんアクセスだけなら出すことができるので、相手ライフを5300以下に削ることはそれまでに達成しておきたい指標となります。
斬機の不採用カード
壊獣
ファイナルワンキルのための攻撃表示モンスターを用意できます。
が、壊獣モンスターはどれも打点が2000より高く、サブトラが絡まない限り壊獣以外のモンスターがいたらワンキルに届きません。
また、よくご存じの通りトランスの効果と併用することができないので、実質的にアクセスとの併用も難しく今回は採用を見送りました。
ディヴィジョン
EXサイバースをリリースして手札墓地から☆4サイバースをssする効果と、墓地時に相手モンスターの攻撃力を半分にする効果をもつ非チューナーです。
前半の効果は使う場面がほぼ無い上、後半の効果も使いにくいです。
ウィキッドでサーチできるわけでもないので、今回は採用する理由が1つもありませんでした。
ナユタ
サイバースに装備してダメージ計算時に斬機モンスターをおろまいする効果と、剥がれたら墓地の斬機カードを回収する効果があります。
ファイナルに装備してマルチを墓地へ送るデザインなのですが、元々マルチを素材にしてファイナルをssするので、今回は採用を見送りました。
方程式
専用の蘇生魔法です。
初動札になるのであれば1枚採用はアリですが、今構築では初動札にはなりません。
(備考:リンクロス時代は初動札になりました)
蘇生先は主に☆4の斬機かダランとなりますが、どれも単に蘇生して強いモンスターではないので、今回は採用を見送りました。
マイニング
手札を1枚捨てることで、パラレル以外のサイバースをサーチできます。
斬機の展開は特定のサイバースに依存しておらず、デッキ内のどのサイバースを使っても行うことができます。
そのような状況で、手札を1枚減らしてまで特定のサイバースをサーチすることは、コストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。
しかし、今採用しているサイバースをフル採用した上でなおサイバースを増やしたければ、他に有用なサイバースが存在しないのでこのカードを採用することになります。
マグマ
8シンクロで、戦闘破壊したときに追加で相手のカードを2枚破壊する効果と、破壊されたとき斬機魔法罠をサーチする効果があります。
とにかくファイナル、アクセスによるワンキルをする方針と相性が悪く、このカードで妨害を踏もうにもバトルフェイズまで待たれてしまいます。
毎ターンアドを稼いでいくといったデッキでもないので、今回は不採用としました。
ヒートソウル
他のサイバース族デッキでは満足に回らない場合2体分からこのカードを出すことが主流ですが、斬機では2体分でディサイディヴォを出します。
そうすることで、マリガンをして手札が良くなれば展開を続行し、ならなくてもウィキッドでダイアをサーチして返しの展開に備えることができます。
先攻で出すことが無い以上、出したい場面がほとんど無いので今回は採用を見送りました。
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最後に
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